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◆草の根無償資金協力「パラオ国立病院新生児病棟医療機器整備計画」

(田尻大使(右)とベチェスラック院長代理(左)
による贈与契約書の署名)




 2013年10月3日、在パラオ日本国大使館にて、平成25年度草の根無償資金協力「パラオ国立病院新生児病棟医療機器整備計画」の署名式が執り行われました。式典には、ニルマン保健大臣、オイロー上院議員、レクライ上院議員、ベチェスラック同院院長代理、同院関係者等が出席しました。

 本件では、次の11種の医療機器が供与されます。新生児集中治療装置、保育器、新生児黄疸光線治療器、新生児用喉頭鏡セット、小児用喉頭鏡セット、吸引器、新生児用酸素フード、新生児用血圧計カフ、小児用血圧計カフ、新生児用体重計、新生児用身長計。

 パラオ国立病院では、毎年約250人の新生児が誕生しています。同院は、国内唯一の総合病院として、当国における新生児誕生の貴重な医療機関となっています。しかしながら、同院の新生児病棟にて利用されている機器のほとんどは、開院した20年前に導入されて以来利用され続けている機器であり、老朽化が問題となっていました。

 さらに、同院では、本来新生児集中治療室、分娩室、手術室にそれぞれ整備されるべき新生児に係る機器が整備されておらず、緊急時には、機器を処置室から処置室へ移動しながら利用している状況であり、同時に必要となった場合は、切迫し状況となっていました。したがって、同院では、新しい医療機器を導入するための費用を捻出することが困難な状態が続いていたため、病棟の医師や看護師は、これまで手に入るもので機器を直したり、機器を移動しながら、機器の台数不足や老朽化に対処をしてきました。

 本件の実施により、同院で出産する妊婦が安心して出産でき、誕生した新生児が適切な処置を受けられるようになり、同院の医療サービスが改善されることが期待されます。

(贈与契約書の取り交わし)

(出席者全員で記念撮影)

◆引渡式の様子

 2014年3月5日、パラオ国立病院にて、平成25年度「パラオ国立病院新生児病棟医療機器整備計画」の引渡式が執り行われました。式典には、ニルマン保健大臣、ウィップス上院議員、ギボンス下院議員、ゲマエス院長、同院関係者等が出席しました。

 本件では、新生児集中治療装置、保育器、新生児黄疸光線治療器、新生児用喉頭鏡セット、小児用喉頭鏡セット、吸引器、新生児用酸素フード、新生児用血圧計カフ、小児用血圧計カフ、新生児用体重計、新生児用身長計の11種の日本製医療機器が供与されました。

 パラオ国立病院では、毎年約250人の新生児が誕生しており、パラオで出産する住民のほとんどが同院で出産をします。しかしながら、これまで同院の新生児病棟にて利用されてきた医療機器のほとんどは、開院した20年前に導入されて以来利用され続けている機器であり、機器の老朽化及びその台数不足が問題となってきました。

 したがって、本無償資金協力を通じて供与された新たな機器を、病院関係者は大変喜んでいます。また、引渡式に先立ち、日本の医療機器メーカーの技術者がパラオに赴き、産婦人科の職員及び機械技師が、機器の取り扱い及びその維持管理方法について学ぶ研修が行われました。パラオでは、専門の技術者から直接研修を受ける機会は非常に限られているため、研修中は病院関係者が熱心に説明に耳を傾け、質問をする様子が見受けられました。

 引渡式後、病院関係者の案内で新生児集中治療室(NICU)を田尻大使が訪れると、本件で供与された保育器には、早速未熟児が入れられ、新生児黄疸治療器のライトを浴びている様子が見られました。

 人口2万人足らずの小さな島国で産まれる貴重な新生児の命が、本件の実施により、適切な処置を受け、同院で出産する妊婦が安心して出産できるよう、同院の医療サービスが改善されることが期待されます。

(引渡式に出席した田尻大使(前列右から2番目)及び病院関係者等)

(供与された保育器・新生児黄疸光線治療器について説明をするベチェスラック医師 )

(分娩室に配置された新生児集中治療装置について説明を受ける田尻大使)